シングルマザーの会③

日付変わって、24時過ぎ。
レズビアンチームが合流したころ、ワインのボトルは空いていた。

リスベット(仮名)たちは、コニャックに葉巻を始めた。
二人とも酔っぱらっていて、くねくねしながら葉巻をくゆらし、
キスし始めた(というかし続けていた)。

サムもオーガズムから始まり、酔っぱらっていた。
この後どうするかと、みんなに意見を聞くも、だれも機知とした回答が出ず。


「わたしはー、踊りたいから!」

そういうわけで、ニース中心部にある小箱ディスコテックにいくことに。

ちなみに、フランスのディスコというかクラブは、入場料無料、ドリンクのみ
というところが多いよう。
ここ、CHOKOもそのパターンだった。

しかし、忘れてはいけない、平日は火曜日。
箱は、半分以上がらがらのすかすかだった。


文句をいいつつも、ソファに座り、様子を伺うみんなを他所に、
気が付いたら、サムは、カウンターから、ウォッカのボトルと割りセットを
従えて戻ってきた。

音楽は、ビヨンセとか、最近のR&Bとかラジオとかでよく聴くような曲調。

本当に踊りたいといっていただけあり、
本気で踊っていた。

周りも注目するくらいに。

そして、グラマラスなサムが本気で踊っている為、
同じく本気踊り系のひとりの男性が、絡んできた。

音楽はラテン。
そしてダンスはサルサのような流れに。

でも、まだ意識のあるサムは、相手にくるくる回転させられる度、
こちらに顔が向くなり、部下のトムに
「どうにかしてよ!」
と時間外労働を求める。

友達のジュリアンも
「いってあげなよ」
ということになり、それまで大人しくウォッカコークを飲んでいたトムは、
ラテンのダンスフロアへ飲み込まれていった。

そして、リスベットたちは、かなり盛り上がりながらキスしまくっている。

そして、エレーヌはというと、携帯電話が出放せない。
なぜなら、この夜、山の街にいる腐れ縁の男を、ニースまで誘い出したら、
サムがエレーヌにモロッコ往復航空券をプレゼントという企画があり、
どうにかこうにか、夜中24時過ぎ、1時間半の道程を降りてくるよう、
SMSの会話が続いて居た訳なのだ。

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