世の中は変わったんだよ、が口癖の店主

私がバイトしている鉄板焼き屋。
かつては、ニースで長蛇の列を成した、類まれなる、レストラン。
今も、行列ができるレストランなんて、ほんと数えるほどだろうな。
数十年前、初めてニースに、というかコートダジュールに「生魚」=刺身を
登場させた、一部の人からすると偉人のような店主。

先週はご家族が日本に帰国されてたとかで、だいぶビールを飲ませてもらいました。

今日、バイトが終わると、2週間のバカンスで休んでいたはす向かいのバーが
バカンスを解禁していた。
でも、店主は
「こどもが帰ってきたから、今日は早く帰らないと」
と言いつつも、そのバーで、店主と飲みたくて飲んでいた(らしい)、元弟子チームに

「あ、この子ね、うちのバイト。俺は今日はだめだから。飲ませてあげて」
って、どんだけ、私にビール飲ませてくれるんですかーな捨て台詞と共に去っていき、
私は今日、初対面の人たちにビールをご馳走になりつつ、店主がどれだけすごい人か、
という話を聞いてきたわけです。


世の中は変わったんだよ、
が口癖の店主。

確かに、世の中は変わるものだけど。
ある意味、それを無視した価格設定(絶対安すぎる)と、「食」へのこだわり。
これからも変わる世の中において、この先どうなるか分からないけど、
そのスタンス、職人らしいかんじ、ある意味尊敬しちゃいますよー。な夜でした。


基本的にフランス人とか、ヨーロッパ人のお客様。
白いごはんを出すと、97%の確率で、ごはんに醤油をかけて食べますからね。
味なしのごはんを好む日本人的にはショッキングなシーンですが、
まあ、好みっていうものがあるんでしょう。

ちなみに、お肉や焼き物用のタレももちろん、ごはんにかけちゃいます。
味のないごはんなんて、彼らにとっては「ありえない」んでしょう。


今日、最後に来たお客様が
「刺身って何?」
っていう人が居たんですが、新鮮な反応。

こんなに寿司大ブームの中、まだそういう反応ってあるんだなーと。

フランクの短期同居人だったニコ様(と私は呼んでいる)は、

「パリのギャラリーラファイエットで、寿司習ったわよ」(わよ、は私的な訳)

「えー、そうなんだ。すごいじゃんー。具はなんだったの?」



「チョコとバナナ」


それってー、
寿司って言わないよー


と言っても、今こちらでは、そんなものが「寿司」として罷り通っているのです。
トレンド発信される食文化。
ほんとの日本食を知っている人なんて、きっと世界に出ればほんの一握り。
米にチョコとバナナって。

ウクライナで食べた寿司がうまかったらしく、フランクがこの前市場で寿司を
買って帰ってきたとき。

「この米が、ちょっと多すぎるんだよね」
と言いながら、寿司をおかずにバゲットを主食に、しているのを見て、更に
多すぎると言った握り部分を半分残して食べていたのを見て。


日本とフランスって遠いなーと思ったのでした。

この前、フォアグラの入ったサンドイッチを食べたら、めずらしく気持ち悪くなった。
ていうか、別にフォアグラとかそんなたくさん食べなくてもよかったのに、私!
胃がびっくり(しすぎ)だったんでしょうかね。


余談ですが、チョコとバナナで寿司が作れるパリジャンのニコ様。
人生をリセット?する為、パリからニースに引越してきたのだが、
この人が買った、ニース旧市街にあるアパルトマン。
すごい絶景だった。
地中海一望で、サンライズもサンセットもテラスから!
更に、ニースの山に散りばめられた夜景までも。ほぼ360度の視界を誇るこのお部屋。
おしゃれ好きなニコ様らしく、お部屋は白壁で統一され、家具も白。
たまにお好きなブルーのライトをアクセントとした、こじゃれた部屋でした。
また招待してもらえたら、写真を撮りたいと思います。
お話のかんじによると、2500万程だったそうです。6階でエレベーターはありませんが。
ニコ様は、
「ほらーコルシカの船が見えるのよー」(のよーは又しても私的な訳)
ととてもご満悦でした。普通に荷物運びの頭数に入れられていた私です。

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