フランス カップル 友情

今 フィレンツェです。
やっぱりニースより寒いです。

さて、先日から私のもっぱらの話題、アレキサンドラ♂4才の両親。
カップルは別れ、子供は、その別れを理解し。。。のその後。

先週土曜日、彼のパパマルセルの50歳の誕生日でした。
その一週間前、ママエレーヌから連絡。
やはり別れても元夫。
やはり別れても元彼。

実は昨年は、カップル二人のバースデーが近いから、
彼らの家で、二人合同のバースデーをやった。
あれから一年、こんなに状況が変わるとはと思いつつ、
それよりびっくりなのが、50才という節目とはいえ、
別れた相手のバースデーパーティーだけでなく
「サプライズ」の企画まで。ということ。


とにかく、当日、マルセルは夜8時に、会場にくるから
7時半までにくるようにとの申し合せにも関わらず遅刻な私たち。。。
途中エレーヌから電話
「どこにいるのよ!」

ぎりぎり間に合った私たちが会場となった共通の友人の家に
着くと、なんとマルセルの兄弟や、マルセル関連の友人など
サプライズに賛同した人々が集結。

そして、私たちがぎりぎり入場した10分後、何も知らないマルセルが登場。

そして、感動のバースデーパーティーがスタート。

会場を目にしたマルセル、本気で驚き、そして本当に嬉しそうだった。
会は進み、お酒も進み、夜0時を回るとき、
マルセルはトイレにいたのだけど・・・
4才児アレキサンドラも大人の騒ぎに起きてきて、みんな一緒に
BON ANNIVERSAI|RE!!!!!!!

そして、登場したプレゼント・・・

マルセルはエレーヌとは再婚で、別のパートナーとの間に22才の息子がいる。
息子メルヴィンは、現在カナダ・モントリオールで学生をしていて、
本来、このカップルが別れなければ、3人揃って、クリスマスには
メルヴィンに会いにゆくはずだった。
しかし、訪れた別離により、その計画は頓挫。
22才といえど、メルヴィンは相当がっかりしたし、
メルヴィンのことが大好きなアレキサンドラももっとがっかり、
そして、二人の父であるマルセル自身もがっかりしていた。

エレーヌは、この状況で、マルセルがクリスマスに何もしないことを
経験値から予測。

そして、この会に賛同したみんなからのプレゼントは、
マルセルとアレキサンドラ二人分のモントリオール行きのチケット。
もちろん、主催はエレーヌ。
デザイン関係の仕事をしているエレーヌは、大きなパネルに
航空券を模したデザインを施し、参加者全員からのメッセージを入れ、
マルセルにプレゼント。

一瞬、何が起こったか分からなかったマルセルだけど、
認識した瞬間、男泣き。
マルセルのお兄さん、お姉さんたちも、そしてその光景を見た
私たち全員が、マルセルのすすり泣きに涙したわけです。

私は、この二人の、愛情を超えた、関係値すごく感動したし、
別れたとはいえ、彼の兄弟からも愛情を受けるエレーヌに、
やはり時間とともに熟成した大人の(元)カップルを見たわけです。


実際、既に新しいパートナーがいるエレーヌ。
ほんとは彼女がいないと何もできなかったマルセル。
既に、生活も、ネットワークも変わりつつある二人だけど、
彼を家族として、愛を持って、彼に新しい生活をスタートしてほしいという
彼女のエールとしても、とらえられるものだったから。


そして、夜中3時、ほとんどのゲストが帰ったあと、
そのおうちにお泊りだった私たちとエレーヌと、家主にして親友アンの4人
で残ったシャンパンを飲みながら、

「いいバースデーだったね〜」
と話していると、フランク。

「にしても、えぐいな。。。」

感動の演出に対してなんということを・・・

フランク男目線的に
「本来別れなければ、エレーヌといけたはずの旅行。息子とはいえ、
アレキサンドラと二人で飛行機に乗るなんて、切なすぎて死にそうだ」

言い分もわからなくはないところだけど、二人は別れて既に数箇月。
しかしフランク男目線的には
「結局、こういうことをすると、関係は薄まるどころか強化されていて、
今後どうするわけ?」

エレーヌいわく
「そりゃ私だって考えたけど、もう私たちは別々の道をちゃんと歩み始めてる」

勝手にモテナイ男というレッテルを貼っていたマルセルにも、
最近はディナーのお誘いだったり、遊びのお誘いだったり、
二人は知らない状況を、既に共有しない環境を持ちつつあるとのこと。

「マルセルはひとりの男だけど、彼ら二人の父親なのよ」

お互いを思いつつも、離れ、離れたからこそ優しくなれたり、
相手を思いやれるという、この状況。


マルセルとアレキサンドラが旅立つのは12月19日。
本来フランスでは、クリスマスは家族全員が集まる日。

「今年のクリスマスはどうするの?」

「何も予定はないわよ」
彼女は、来週40才を迎える。

フランスの典型では決してないけれど、なんだか粋で、なんだからドラマな
カップルのバースデーでした。

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