国境越え・・・フィレンツェ紀行①

先週末から、寒いニースです。
どのくらい寒いかというと、今日、素足で(はだしではない)で登校して
寒すぎるため、ランチ後即帰宅。
クラスのほとんどが革コート、またはファーなど冬物を身に着けている。
気温は・・・

11度。

しかも曇っていて、まるで(行ったことはないけど)パリみたいです。


そんな中、木曜深夜2時のバスでイタリアへ向かった私たち。
バスは、当然時間通りには来なくて、不穏な空気漂うバスターミナル付近で
30分ほど待ったのでした。
ユーロラインという、ヨーロッパ中を走行する長距離バスは、確かなバス停の
しるしもなく、もしやインドの時の様にバス停の場所を間違えていたりして・・・

そんな空気も流れましたが、多分毎晩その辺で暮らしている、要は浮浪者的な
おじさんが
「あんたたち、どこ行きたいの?」
と声かけてきたときには、ダッシュで逃げようかと思ったけど、おじさんは本当に
ただの親切でバスの停まる場所を教えてくれたのでした。
疑ってごめんなさい。

バルセロナから来たと思われる、そのバス。
予想外にほぼ満席。しかも、深夜となればほとんどが、2席を占領して寝ている。
私たち3人はばらばらとなり、なんとか席を確保。
いきなり、スペイン語しか聞こえない空間は、ちょっと怖かった。

でも、昼寝を我慢していた私は、席につくなり、面白いほどのび太でした。

バスは、真っ暗な中、イタリアに向かって進みます。

深夜、多分3時過ぎ。
国境を超えたところで、携帯からお知らせが。
「ここからは国外なので、使ったらお金がかかります」的な。
そういえば、途中、なぜかバスを乗り換えさせられた。

そして、少し進むとバスは止まった。
乗り込んできたのは、POLICE。
前の席から順番に、パスポートチェックが始まった。
私は、まだ仮滞在許可の段階のはずだけど、県庁の皆さんが「OK」と言った。
それだけしかいえないけど、仕方ないと思いつつ、眠気に負けてぎりぎりまで
寝ていた。

数人が下ろされている模様。
ニースより前から乗っていたアジア系の女性二人組み。

私の周りは、ちょっとダークな雰囲気が漂う方が多かった。
まずは隣のおじさん。
パスポートのビザ期限が切れていたようで、申請中の書類やらを沢山出して
何とかOKになっていた。

次は私、と思って準備していたけどスルーされた。

そして、私の通路を挟んで隣のお兄さん。
彼は、フランス語もスペイン語も話さなくて、英語のみ。
何やら、軍隊を意味する言葉を言っていて、さっきのおじさんよりも大量の書類を
警察に見せていたけど・・・


お兄さんは、降ろされてしまった。


更に、私の後ろの席のスペイン人ではない?スペイン語を話す人たち。
一人の少年は、パスポートさえ持っていなかった。
彼のお父さんも書類不備。
他の仲間たちもどんどん降ろされていく。

結局、何人の人が降ろされたのかは分からないけど、後から聞くところによると
イタリアは今、とても厳しいらしい。
たぶん、降ろされた人たちも、スペインからフランスに入ったときは何もチェックが
なかったということを仕切りに訴えていたけど、警察は「ここはイタリアだ!」と。

同じEU圏内でも、こんなにも対応が違うんだと驚く瞬間でした。
多分ここで1時間近くのロスタイム。

その後も、私の爆睡は止まらず、隣のおじさんがトイレに行きたくて起こされる。
車が止まって休憩中も動けないくらい眠くて、おじさんは
「僕がいない間、ここの席も使っていいから、寝てなさい」
と、とても親切でした。おじさんは、国境越えに何らかの不安があったのか、多分
ほとんど寝てなかった。

予定時刻より1時間送れた9:40.
バスは、フィレンツェのサンタ・マリア・ノベッラ駅に到着。
直前まで、寝ていた私は、おじさんに起こしてもらい、
「気をつけてー」
と送り出してもらったのでした。
おじさん、どこまで行ったんだろうか。

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